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ステロイド外用薬について

ステロイド軟膏(副腎皮質ステロイドホルモン外用剤)の上手な塗り方
(アトピー性皮膚炎の患者さんへ2)

 ステロイド軟膏は対症療法として湿疹に有効です。かぶれなどの皮膚炎では、強いステロイド軟膏を使用すれば、1週間以内にかぶれは治り、軟膏治療を終了できるので問題はありません。しかし、長期にステロイド軟膏を使用した場合には、効果以外に副作用の問題(とくに、顔と首)がでてきます。出来るだけ塗らずにすむ方がよいのですが、一時的に塗ってコントロールした方がよい時もあります。
 皮膚炎(=湿疹)は火事と同じです。火事の初期の炎は消火器で消せますが、火元を放置すると燃え移り大火事になります。アトピー性皮膚炎も湿疹の初期にステロイド軟膏を塗れば、強さ(5段階)・期間・量・範囲とも少なくてすみます。放置していると炎症がひどくなり広がるだけでなく、離れた部位の湿疹も悪化することがあります。ステロイド軟膏の副作用が怖いからとステロイド軟膏をビビリながら使っていると、炎症がおさまらず漫然とダラダラ塗ることになります。炎症が軽く範囲も狭いうちに強めのステロイド軟膏をしっかり塗って短期間で炎症をおさえる方がよいのです(消炎)。その後ステロイド軟膏を減量・中止していけば、結局ステロイド軟膏の総量は少なくなり副作用の心配もなくなります。ただし、すでに使用しているステロイド軟膏を急に中止すると、アトピー性皮膚炎本来の症状の爆発的悪化(リバウンド)があるので危険です。徐々に減量することは可能です。
 ステロイド軟膏の副作用は、皮膚萎縮、酒さ様皮膚炎、ニキビ、易感染性、毛細血管拡張、接触皮膚炎(かぶれ)など皮膚局所のもので、普通は心配いりません。ただし顔面には副作用が出やすいので注意が必要です。また、全身性の副作用は通常量では起こりません。強めのステロイド軟膏(リンデロンV)を毎日20g以上使っていると問題になります。

 以下のような塗り方をすれば副作用は大幅に減少できます。
通常は1日1回入浴後塗り、症状が強い期間は朝夕2回しっかりと塗ります。湿疹が軽快すれば1週間のうち3日間ステロイド軟膏を塗るだけでも十分です。ステロイド軟膏はひどい所(ブツブツ、ジクジクしてかゆい所)だけにポイント塗りをします。赤いだけ、茶色いだけ(色素沈着)、カサカサだけの所には保湿剤(ワセリン、アズノール、ヒルドイド、ザーネ、尿素軟膏、セラミドなど)を塗って湿疹の予防をします(スキンケア)。
  無理にかゆいのを我慢すると、かえって掻きむしって症状を悪化させます。ステロイド軟膏を塗る目安は、掻きむしらない、眠れるまでを目標にしましょう。「そんなにかゆくない」という軽い状態でコントロールできたら、弱いステロイド軟膏に切り替えます。さらに調子が良ければ保湿剤に切り替えることが可能です。

 ステロイド軟膏の位置付けをすれば急場をしのぐということです。原因不明の慢性の病気であるアトピー性皮膚炎はステロイド軟膏でも完治できません。しかし湿疹増悪期を一時的にしのぐことはできます。消火できる必要十分なステロイド軟膏の量・期間を学習し、大火事にしないように、自分でお手入れをしましょう。治すのはあなたです。疲労、ストレス、夜ふかし、肉食、お菓子もアトピー性皮膚炎の大敵です。各自が湿疹悪化の原因に気づき、生活習慣病として症状をコントロールして、仕事や学校を続けられる普通の生活ができることを目標にしましょう。

お大事にして下さい。 医療法人 さくら皮フ科

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